研究内容

映像の有無による音の主観評価への影響

無響室内での映像提示


HMDのメリットとして、音と映像を同時に提示できる事が挙げられます。


従来の研究では音の主観評価を行う際、無響室(響きの殆ど無い特殊な部屋)を利用し、評価対象の音のみを再生していましたが、我々が現実の音に対して抱く印象は映像の有無やそのリアリティにも影響される事が指摘されています。


そこで、本研究室では先述のVR空間上における動的バイノーラル再生システムに全方位カメラで撮影した360°動画を提示する事で、実際にその場にいるような、より現実に即した主観評価実験の実施についても研究を行っています。


一例としては、主要な車道、空港付近の公園、滝のそば等、様々な場面の音と360°映像を収録し、実際の現場及び実験室で「音のみ」、「音と映像を併用」で呈示した場合の「アノイアンス(不快感)」、「ラウドネス(音の大きさ感)」の評価について比較検討を進めています。